サカタ博士の世界平和計画 その2
サカタ博士はまだ世界平和への道を諦めていなかった。
前回は惜しくも後一歩のところで世界平和への道を断念することになったが
それによって博士の世界平和への熱意は更に燃え上がった言えよう。
しかし手法が思いつかない。どうしたらいいのだろう、そんな悶々とした日々をすごしていた
博士は「仮面ライダーRX」をみている最中にハッと閃いた。
そうだ正義の味方をつくればいいのである。
世界平和を乱すものを成敗する強力無比のヒーローである。
方法がわかれば博士にとって後は簡単である。圧倒的科学力であっと言う間に作成。
で出来たのが「正義の味方1号」である。今回は手加減無し。前回の「怪人1号」の8.5倍の戦闘力を誇るスーパーヒーローである。
そして完成した「正義の味方1号」は博士に問う。「世界平和を乱すものは何処ですか?」と。
博士は意外と困った。その定義については余り深く考えていなかったのである。
そこで博士はその重要な定義付けが余りにめんどくさいので その決議を国連に委任することにした。
そして「正義の味方1号」を初の国連軍として配属し、その行動決議を安保理決議で決めてもらうことにしたのである。
国連は渋々これを受諾。当時の各国が「怪人1号」の戦闘力の高さをまざまざと見せつけられた3週間後の出来事であったからだ。(当然各国の諜報では「怪人1号」が博士の仕業であることも公然の事実)
こうして突然、世界最強の軍を国連が有することになった。
そして世界のパワーバランスが崩れた。
安保理決議の決議権においてはわずかに西側が有利(このお話の世界の設定では)。
そのため東側諸国が次々と国連を脱退し「現在の国連を正当な国連と認めない」という声明を中ソ共同にて発表。
併せて「国連軍の侵攻を止める手段は残念ながらが存在しない。しかし、侵攻が認められた次の瞬間、西側諸国への核攻撃も辞さない」と発表。見事に冷戦時に逆戻りした。
その声明発表後一週間後に博士の自宅に2名の訪問者が訪れる。当時の国連議長と「正義の味方1号」である。 国連議長が「もう勘弁してください」と酷く疲れた顔でポツリつぶやいて「正義の味方1号」を置いて帰った。
後日責任をとって国連議長は辞任。「正義の味方1号」がいないことを確認すると東側諸国は再度国連に加盟してこの事件は終わった。
現在「正義の味方1号」は博士の家に清掃員として活動をしている。だが博士はこの結末に相当ご立腹のようで風当たりがなかなか厳しい。正義の味方は辛い。