電車シリーズ ミサ
まったくどういったものか、
この雰囲気。
あ、今、満員電車です。
人がすし詰めにされ乗り込んでいる。
そして誰一人としてまったく一言も喋らない。一声たりともしない。
これだけの人口密度でありながら聞こえるのは電車と路線の摩擦音と
モーター音とエアコン音だけだ。
上記の音を除けば図書館より葬式より静かだろう。
そして皆は決まって重い表情をしている
眉を重め、人によっては眉間にシワを寄せて下をジッと見つめている。
異国の方がこの場に居合わせたらならば何か宗教的な雰囲気を受ける間違いないだろう。重い雰囲気の人々が密集してなんともいえない雰囲気を発している。
そして実際日本人の哲学であり宗教でもある。
そんな奥ゆかしい何十分も変わらない、荘厳、敬虔な静寂な満員電車が続く。
毎日、日本各地で。